はじめに
どうもHenzelです。
今回は弱視治療、弱視訓練に使われるアイパッチについてお話したいと思います。
アイパッチの目的を理解し、正しい使い方を知ることできちんとした治療に繋がります。
アイパッチ治療について
アイパッチ治療とは
片眼性の弱視治療として行われます。
弱視については別の記事をご参考ください。
片眼の視力が出ていない場合、そのまま放置していると弱視になります。
弱視にならないためには早いうちに視力を発達させるための訓練が必要となります。
訓練方法
視力を発達させるには弱視眼に刺激を与えなければなりません。それはその目でしっかり見るということです。
健眼(視力が出ていて健康的な眼)にアイパッチを貼り完全に遮蔽してわざと見えないようにします。この状態で生活をします。
そうすると患眼でしか見ることができないので、何とかその眼で見ようと働き始めます。
この刺激が大事なのです。
通常、弱視は見やすい方の眼だけで見ていて、もう一方の目はサボっている状態です。なので働いている眼を休ませて、サボっている眼を無理矢理働かせ鍛えるという目的です。
アイパッチだけでも効果はありますが、遠視が強い場合などには、眼鏡治療も併用する必要があります。
いくらアイパッチで刺激しようとしても、遠視によりそもそもピントを合わせることができていなければ、ぼやけたままなので刺激は弱いです。そこで眼鏡を装用してきちんと見える状態にして訓練することで、弱視眼は見ようとすることを覚えます。
治療中のポイント
子供自身がアイパッチを嫌になってはいけません。
親御さんは治療のため子供に説明してどうにかやろうとしますが、どうしても子供は嫌がってアイパッチを勝手に外そうとしてしまいます。
慣れてしまえば平気でやってくれますが、最初のうちはなかなか上手くいかないこともあるかもしれません。
私達がいつも患者さんに説明しているポイントをお話します。
お絵かきしよう
アイパッチに絵を描いて楽しみながらやりましょう。好きな絵を描くことで遊び感覚で訓練することができます。
継続してやっていく治療なのでモチベーションをアップすることが大切です!
アイパッチしてるときだけゲームOK
子供ってゲームやアニメ、動画サイトなど見出したら止まらないですよね。
本来こうゆうものを長時間することは良くないですし注意していると思います。
しかし訓練目的の場合は効果があるのです。
やはりアイパッチをするだけでは完璧とは言えません。
極端な話、ぼーっとしていると訓練効果は少ないですし、昼寝してしまうとその時間は訓練にならないです。
何かに興味をもって見ようとする力や刺激が加わることでより訓練効果は高まります。
そういう意味ではゲームやアニメ、動画サイトは良いと思います。
ゲームほど興味を持ってじーっと見ようとすることはなかなかないですからね。ゲームは訓練目的としては非常良いです。
ただし、これも訓練だからといって長時間させることが必ずしも良いわけでもないですのでそこは調整が必要ですね。子育てとしてのしつけもありますからね。
それとルール作りが大切になってきます。
アイパッチしているときだけゲームしていいよ!アイパッチしていない時はゲームはダメね!!
というように条件を作り子供と約束しましょう。
そうすると限られた時間で集中するでしょう。
もちろんゲームだけでなく、トランプやお絵かき等もアイパッチ効果が高まります。
シール部分を波波に切って見よう
これは全員に勧めているわけではなく、お肌がかぶれやすい子やテープを剥がす時に痛がってアイパッチするのが嫌になってしまう子にはお勧めしていることです。
それはテープ部分を波波に切ることです。
粘着部分の面積が広いとどうしてもテープかぶれすることがあります。
こうすることで、かぶれる面積を極力少なくすることができます。剥がす時にも痛みを感じにくくなるためぜひやってみてください。
乾燥する時期や汗をかきやすい時期いろいろますし、個人差もあるので様子を見ながらでいいと思います。
しかしテープ面積が小さいと外れやすくなることもあります。
1枚1枚無駄にはしたくないので、その辺りも様子を見ていきましょう。
アイパッチをいつ貼るのが良いか
アイパッチ治療は年齢や弱視のタイプ、程度によって1日にどのくらいの時間するか異なります。そのためD rの指示に従って下さい。
たとえば1日6時間の指示があったとしましょう。
いつするのがいい?と悩む親御さんがいます。
それを決めるポイントとしては昼寝時間や習い事、生活リズムを考慮しましょう。
たとえば保育園で14時頃にお昼寝するとしましょう。
その時間はアイパッチを貼っていても効果はありません。そういう場合は朝からするのでも良いと思います。
午前中にプールに入る予定があれば、プールが終わってから保育士に貼ってもらうようにお願いするのでもいいかもしれません。
午後から貼るのも良いですが、帰宅してからご飯食べてお風呂入る時間を考えると時間が足りなくなったりすることもあるので、1日のスケジュールでどこで連続して貼れるかを考える必要があります。
3時間3時間みたいに分けるよりかは、なるべく連続6時間するほうがいいと思います。
ただし、むやみやたらにずっと貼れば良いというわけでもありません。やり過ぎは注意が必要です。見えている方の眼を遮蔽しすぎてその目が視力低下してはいけません。
しかしこれも年齢によって考え方が変わってきます。
感受性期ギリギリか、むしろ超えてしまった場合。
たとえば9歳で弱視を発見しそこから訓練を始めるとしましょう。こういう場合は緊急性があるのでお風呂や寝ている時以外は常時アイパッチ治療することもあります。
その子その子で状況が異なるので必ずD rの指示に従ってやっていきましょう。
注意すること
左右の貼り間違い。
これは一番危険なパターンです。必ずどちらの目に貼るかをD rや視能訓練士に確認し絶対に間違わないようにしましょう。
親の知らないところで外している
これも時々あるのですが、親の知らないところで子供が勝手に外していたり、理解していない保育士が一時的に外していることがあります。理由があって外している場合や報告してくれている場合は問題ないですし仕方がないかもしれませんが、親に報告されずに気付いていない場合が危険です。1回だけならまだしも何回もそういうことがあると危険です。アイパッチするときは保育士にも説明し理解しておいてもらいましょう。
最後に
アイパッチ治療はよく理解しておくことが必要です。子供にもわかりやすく説明し、しっかり継続していけるよう心がけましょう。
弱視に関する内容は別の記事でも書いていますので、ぜひそちらも参考にしてください。→子供の「見える」は信用しないで!よくわかる弱視のこわさ