視能訓練士

レーシックに代わるICL?視能訓練士が教えるICLのメリット・デメリット

はじめに

こんにちわHenzelです。

最近はコンタクトレンズを使用している人がかなり多いですね。

コンタクトレンズユーザーの中でも毎日使用することにわずらわしさを感じている方もいるのではないでしょうか。

今回はLASIKに代わるICL(アイシーエル)という近視矯正法についてご説明します。

LASIK(レーシック)は知っているけど、過去に問題が起きていたからこのような近視矯正手術に抵抗があるという方も少なくないはず。

ネットには多くの情報があるけど、結局どうなの?と思っている方の参考になればと思います。

近視矯正手術について

近視矯正手術とは

近視矯正手術の話に入る前に『近視』とはなにかを知っておく必要があります。

簡単にいうと裸眼の状態で近くが見えて遠くが見えない眼です。詳しくは以下のページに書いておりますのでぜひご参考ください。

よくわかる近視・遠視・乱視・老眼

数年前まではLASIK(レーシック)が主流でした。

フェイキックIOLというものもあり、これは有水晶体眼内レンズといってコンタクトレンズを眼の中に埋め込むような方法です。今でも施行されていますが、さらに最新の近視矯正法がICLです。

ICLも分類としてはフェイキックIOLと同じです。従来のフェイキックとはレンズを挿入する場所が異なり、手術の手技もより簡便になった手術です。

ICL(アイシーエル)とは

ICLとはImplantable Collamer Lensの略で、眼内コンタクトレンズ有水晶体眼内レンズと呼ばれています。

簡単に言うと、「目の中に埋め込むコンタクトレンズ」をイメージするとよいです

ICLの特徴 LASIKとの違い

まずはICLの特徴です。ここに書く特徴はメリットとしてとらえてください。

  1. 見え方の質が良い。視機能の低下がない
  2. 強度近視や乱視にも対応する
  3. 何かあれば外して元の状態に戻すことが可能(可逆性)
  4. 白内障手術をするときの選択肢が狭まらない

 

これらを数年前まで主流であったLASIK(レーシック)と比較してご説明します。

この記事はLASIKを否定しているのではなく、従来の近視矯正手術に比べ、どれほど医学が進んでるかと感じ取っていただければ幸いです。

見え方の質が良い。視機能の低下がない

LASIK角膜をレーザーで削って近視を矯正する方法

ICL角膜の周辺から2~3mmの切開をし、目の中にコンタクトレンズを埋める方法です。

LASIKはレーザーで正常な眼の組織を削りますので、視機能の低下(見え方の質の低下)があると考えられています。視力が1.5出ていても自覚症状としては「なんとなく見えにくい」、「すっきりしない」といった見え方です。

一方ICLは、角膜の周辺に小さな切開をするだけですのでLASIKのように組織を削るようなことはしません。そのため視機能の低下はないので見え方は良好です。

強度近視や乱視にも対応する

LASIKは角膜を削って近視を矯正しますので、近視が強ければ強いほどたくさん削らなければなりません。そのため術後に角膜の安全な厚みを残すことができない強度近視などの場合は不適応となります。度数誤差が出たり術後に近視が再発することもあります。

ICLはレンズを挿入する空間さえあれば手術ができます。弱い度数も強い度数も同じ1枚のレンズを入れることには違いないので強度近視でも対応できます。乱視の強い方も乱視用のレンズがあります。ほとんど近視の再発はなく安定しているとの研究結果も出ています。

何かあれば外して元の状態に戻すことが可能(可逆性)

LASIKはレーザーで削りますので、一度削ったものは元に戻せません。つまり今後の長い人生の中で眼の病気が生じたときに、LASIKは元に戻せないので影響し続けます。

ICLは眼内にレンズを入れているだけなので、万が一眼の病気が生じレンズを取り外さなければならないと医師が判断した場合にも取り外して手術する前の状態に戻すことができますこれは医学にとって大きなメリットです。

ちなみに一つ例をあげますと、「緑内障」という病気があるのですが、この病気は『眼圧』が大切です。眼圧とは眼の硬さです。眼圧が高い状態が続くと視神経が障害され視野欠損し、最終的には失明する病気です。

LASIKをしたあとは眼圧が実際よりも低く検出されてしまいます。つまり正確な眼圧を把握できないということです。これはあまり知られていない情報かもしれませんが重大なデメリットですね。

白内障手術をするときの選択肢が狭まらない

LASIKは将来的に白内障の手術をするときの選択肢に影響します。

白内障手術では濁った水晶体を取り除き、その代わりとなる眼内レンズをいれます。この時にいくつかの検査のデータをもとに計算してレンズ度数を決定します。

LASIKは角膜を削っていますので、通常の角膜に比べ形状が変化しています。このことによりレンズ選定の計算に影響し誤差が生じることがあります。今ではそれを考慮した計算式もあるため基本的には問題がありませんが、LASIKしている人は必ず医師に伝えなければなりません。

重要なのはここからです。それは『多焦点眼内レンズ』はLASIKしている眼は不適応です。

多焦点レンズは遠近両用の眼内レンズです。海外では主流になってきており、日本でもだいぶ増えてきています。しかしLASIKしていたらこのレンズは選択できませんので将来の治療にも影響を及ぼします

一方ICLは、目の組織を削っていないので特に影響はありません。多焦点眼内レンズも選択することができます。ちなみにICLは半永久的なので白内障手術するまでor手術しない場合は亡くなるまでそのままでOKです。

今後の医学の発展でLASIKしている方にも影響しないレンズやさらなる発展を遂げた検査機器、計算式が開発されれば安心ですね。

ドライアイ

LASIKは術後ドライアイになりやすいと言われています。術前にドライアイがなかった人も術後一過性のドライアイになると言われています。しかしICLではそういった症状がほとんどありません。

ICLのデメリット

小さな切開創ができる

これはデメリットというほどのものではないかもしれませんが、手術による小さな切開あとが残ります。外見上は特に気になりません。

レンズのズレ

空間に挿入しているだけですので、レンズが眼の中でズレてしまうことが稀にあります。極端にずれると見え方にも影響するので元の位置に戻す再手術が必要です。

乱視用のレンズのは特にズレによる見え方の影響が大きいです。眼の中でレンズが回転し軸がズレると見えづらくなり、再手術でレンズの角度を調整することもあります。

ハロー・グレア

夜間、光を見た時に異様にまぶしさを感じたり、光のまわりに滲んだ光が見えることがあります。通常数ヵ月で慣れてきますが残ることもあります。

これは主観的な要素でもあるので全く気にならない方もいれば、かなりひどく感じる方もいます。術前では予想することができないので、手術をやってみて経過を見るしかありません。

40歳以降では老眼鏡が必要

ICLにより遠方を裸眼で見えるようにしたかわりに、手元を見るには調節力を働かせなければなりません。20~30代では調節力は元気なので特に問題はありませんが、40代以降で老眼が入ってくると手元は裸眼で見えません。老眼鏡をかければ問題なく見ることができます。

手術による合併症のリスク

眼に限らず、どのような手術でもリスクはつきものです。

ICLにも当然ながら手術によるリスクはあります。

レンズを挿入することで眼の中の循環が滞り、緑内障や白内障になることや、ばい菌が入ることによる感染症、眼内炎などリスクがあります。

ICLした人の声 術後の見え方

若い方であれば遠くも近くも見えて大変満足しています。

『手術も特に大丈夫だった。術後もよく見えて何も困っていない』という方がほとんどです。

結局それだけか・・・と思うかもしれませんが、実際そんな感じです。

ですが、いろいろな感想あるのでそれを記載しておきます。

  • 手術中痛かった
  • 怖かった→手術は点眼麻酔(目薬)なので起きているからです。寝ていません。
  • 術後まぶしい
  • 乾燥感がある
  • 術直後ぼやけていたが翌朝すごく見えた!
  • 手元が見えなくなった(40代の方)

老眼がはじまる年代の方は今まで見えていた手元が見えなくなる可能性があるので慎重に検討したほうがよいでしょう。

よくわかる近視・遠視・乱視・老眼←この中に老眼についても説明していますのでぜひご参考ください。40代以上の方は特に老眼について理解しておいたほうがいいですよ。

まとめ

ICLはLASIKより進歩した近視矯正手術であることをおわかりいただけましたでしょうか?詳しい目の構造や手術の手技、写真が載っていないので難しかったかもしれませんが、病院ホームページの説明やほかの方の記事と併せて読んでいただけるとより理解が深まると思います。

ICLは保険がきかないので自由診療となります。費用的にはまあまあ高いです。(施設によって費用は異なるのでご自身で近所の施設調べてみてください。)

しかし今後何十年とコンタクトレンズや洗浄液を継続して購入すること思えば、手術したほうが安くなりますね。早ければ早いほどお得って感じです。

ICLの合併症やリスクなど術後に関する記事もありますのでぜひそちらもご参考ください。→ICL手術後の定期検査ってなぜ必要?

他にも眼のお話についての記事がありますのでぜひそちらもご覧ください。

最後に

今回この話をしようと思ったのは、実際に私が眼科で勤務していて近視矯正手術にも携わっているのですが、やはりコンタクトレンズや眼鏡が煩わしく困っている方が多いです。みなさんネットでいろいろ調べているのですが、ネットにはさまざまな情報が飛び交っていますので実際どうなの?みたいな感じに思っている方も多くいます。

『ICLとはなにか』を知りたい場合は眼科のホームページに詳しく書いているので、それを見れば理解はできますが、もし私が一般人だとしたら知りたいのは病院のホームぺージに載っているような「ICLとは」という内容だけではなく、経験者の体験談やリスクなどが重要です。

私は近視矯正に長年携わってきたのでICL治療も理解した上で、数多くの患者さんといろいろお話してきました。視能訓練士として患者さんの術前術後の検査をして、Dr以上に近い存在で携わってきましたので生の声を数多く聞いてきました。

視能訓練士としてICLをご紹介したいと思いこの記事を書きました。

私は遠視なので自分の経験談はお話できませんでした(笑)

ABOUT ME
Henzel
妻と共に育児奮闘中の父親です。 眼科の検査や視機能訓練を行う視能訓練士という仕事をしています。 視能訓練士として培った知識や情報を中心に、私生活における自身の経験、日用品のレビュー、育児に関する記事など幅広い内容で執筆します。